6bitの思考

自転車、モータースポーツetc... 思いついたことを取り留めもなく綴るブログ

ケニー・エリッソンドという選手の話

軽い気持ちで応募したら当選してしまいました。
チクリッシモ誌編集部の皆様、ありがとうございます。

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小粒だけどピリッと熱い走りのフレンチクライマー。

応募した時のツイートはこちら。
正直なことを言うと「どうせ当たらないだろうし、ちょっとマニアックなとこ行っとくか」という気持ちがあったのは否定しませんw

まず「エスプリの解放は頭蓋骨の骨折ではない」の話から。
ケニー・エリッソンドという選手を知ったのはTwitterでこのフレーズとともに彼を紹介しているツイートを見たからで、彼のアカウント(@KennyElissonde)のプロフィール欄にただ一言書かれているフレーズ"l'ouverture d'esprit n'est pas une fracture du crâne"を日本語訳するとこうなります。
普通プロスポーツ選手のプロフィールというと何の競技をしているとか、どのチームに所属しているとか、どんな大会で勝ったとか書きそうなものですが、彼はFDJに所属していた頃からスカイに移籍して今に到るまで一貫してただこの一言だけ。
フランス人自ら「エスプリ」と言うと何か深い意味があるのかと考えてしまうのですが、案外プロフィール欄を書くのが面倒くさいからカッコつけてみただけだったりするのでしょうか。
とにかく、彼に興味を持ったのはこのフレーズがきっかけでした。

それから、彼のInstagramアカウントに時々投稿される、彼自身が見た光景を自ら切り取ったであろう写真がとにかく美しい。
これはもう説明するよりも実際に見ていただいた方が早いと思います。

前述の「エスプリの解放は〜」といい、彼一流のセンスにはとても心魅かれるものがあります。

そして最後に彼のレーススタイルについて。
彼は公称169cm/52kgで小柄な、それこそフルームの前を走って風除けになるのかと思うような体格のピュアクライマーなのですが、とにかく走りが熱い。
思い出のレースはFDJ時代の2016年に出走したブエルタ・ア・エスパーニャの第20ステージ。
山岳賞争いでは一歩リードしつつも当時カハ・ルラルのオマール・フライレに猛追されて迎えた事実上の最終決戦で、守りに入って逃げ切る作戦もあったかと思いますが、彼が採った作戦は決死のアタック。
結果としては大失敗で最初の山岳でフライレに先行を許してしまい付いて行くことすらできず、集団まで落ちて山岳賞も1ポイント差で逃してしまうのですが、常に攻めの姿勢でいるスタイルが非常に印象に残りました。

繰り返しになりますが、私が天邪鬼なのでわざわざマニアックなところを狙ったのは嘘ではありません。
それでも大好きな選手のひとりなので、当選したのは素直に嬉しかったですね。
ここまで長々と書き連ねましたが、少しでもケニー・エリッソンドという選手に興味を持ってもらえたなら幸いです。