6bitの思考

自転車、モータースポーツetc... 思いついたことを取り留めもなく綴るブログ

京の六六めぐりライド

いつものように休日前の夜になって「明日はどこに行こうか?」と考えていたら、ふとこのツイートが目に入りました。

「へるへるしてきた」
「そうだ、六道の辻行こう」

そしてどうせなら「京都で6箇所『六』のつく場所を回れば面白いかも」、という100%思いつきでスタートしたライドのおはなし。

パッと思いついたのは「六丁峠」「六角通」「六条通」「六道の辻」の4箇所。少し調べてみたら六道の辻の辺りはかつて「六波羅」と呼ばれていて、観光スポットとして六波羅蜜寺がある。これで5箇所。うーん、もう1箇所どうする?
これは結局思いつかなかったので、宇治市の「六地蔵」を数合わせにして大雑把なルートを設定しました。細かいことを言えば六地蔵は京ではないですが、まあ気にしない。

六丁峠

冬らしく北風吹き荒れる淀川、桂川を遡り、三連休の中日でごった返す嵐山を通り抜けやって来たのは化野(あだしの)。嵐山に隣接する地域ながら少し距離があるためか観光客もまばらで、いつ来ても静かなところです。
化野の名はかつてここが風葬(死者の亡骸を野晒しにして風化を待つ葬制)地であり、その時とともに朽ちていく様子に人の世の無常さを感じる場所としてそう呼ばれるようになったのだとか。そしてその最も奥、愛宕神社の一ノ鳥居をで左に折れると六丁峠の登りが始まります。

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愛宕神社の一の鳥居。ここを左に入ります。

「六丁」の名の通り長さは650mほどと非常に短いですが、緩斜面から入り中程のヘアピンを通過してからが本番。登れば登るほど斜度が急になり、最後は20%ほどもある激坂を切り通しの先に見える空に向かって必死にもがきながら頂上へ達します。
化野側は路面状態も良く斜度を別にすれば登りやすいですが、薄暗く路面が濡れていることが多いので足を着く時は滑らないように注意した方が良いかも知れません。

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六丁峠の頂上。ここから保津峡側も転げ落ちるような下りなので注意。

六角通

壬生付近で途切れている箇所がありますが、三条通りと四条通りの間やや北寄りを東西に貫くのが六角通
この通り沿いにある頂法寺の本堂が六角形をしており「六角堂」と呼ばれているのがその名前の由来ですが、さすがに自転車で来て拝観はできないので今回は横切るだけ。

六条通

こちらは平安京の六条大路に相当する道路。
ところが分断されてしまった区間が多く、現在の京都でその通り名を確認できるのは堀川通から河原町通までのわずかな区間のみ。しかも細い路地のような区間が多いため見つけるのに苦労しました。
烏丸通から河原町通までの500mほどを走行。

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烏丸六角交差点にて。

六道の辻六道珍皇寺

ようやく本日のメイン、六道の辻へ。へるへる〜
六道とは仏教において死後に生前の業によって転生するとされる6つの世界のことで、天道、人間道、修羅道畜生道、餓鬼道そして地獄道を指します。詳しいことはWikipediaに丸投げするとして、この地も化野と同じように京から鳥辺野:死者を鳥葬(遺骸を野晒しにして鳥についばませる葬制)していた地へつながる場所であったことからこの世とあの世の境目、冥界の入り口だと信じられていたことに由来します。

お盆の時期に祖先の霊を迎えに詣る「六道通い」や、特別公開時にしか見学できないようですが小野篁が冥界通いに利用したと言われる「冥土通いの井戸」など、六道珍皇寺は彼と冥界に縁の深いお寺です。
もちろんながら拝観には自転車ではなく公共交通機関の利用がお薦め

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六道珍皇寺の山門と「六道の辻」の碑。
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鳥辺野にまつわる曰く付きの地名。興味がある方は調べてみてください。

六波羅

六道珍皇寺を含め、五条通から七条通の間の鴨川左岸はかつて「六波羅」と呼ばれていました。この地名の基となった六波羅蜜寺鎌倉時代に幕府が朝廷を監視するために設置した六波羅探題は小学校の教科書にも載っているお馴染みの単語ですね。
隣接する六道珍皇寺と併せて空也上人が開基した六波羅蜜寺を拝観するのが普通かと思いますが、個人的に一押しなのは六道之辻の角にあるこちら。

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六波羅飯店。

こんなにカッコいい名前の中華料理店が他にありますか?
決して他所では名乗ることができないオンリーワンの名前。今度観光する機会があればぜひここで食事してみたいと思います。

六地蔵

六波羅を縦断し醍醐道から山科区へ抜け、帰りに立ち寄ったのが六地蔵京都府宇治市の西部にあり京阪・JR・京都市営地下鉄が、道路交通でも京都外環状線と宇治方面へ向かう府道7号が交差する交通の要衝です。
こちらも小野篁が一本の桜の木から6体の地蔵菩薩像を作り当地にある大善寺に祀ったことに由来する、六道にちなむ地名です。
今回は時間が遅くなったこともあって、地下鉄、JR、京阪の各駅を訪れただけに留めましたが…

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JR六地蔵駅

帰路は御幸橋からVOLT1600の明るさに任せて淀川を走り19時過ぎに帰宅。
走行距離は133.1kmに対して獲得標高700m強といつものライドより平坦基調でしたが、行きがずっと強烈な向かい風だったことに加えて京都市内は雪が舞うような寒さで、ゆるぽただったかと言うと疑問が…
それよりもクリートを交換し位置を調整したら左膝に痛みが出なくなったことが収穫ですね。もっと暖かく、日が長くなったら200kmくらいのライドをしてみたいところ。

京都市内では他にも何箇所が立ち寄った場所があるのですが、「六六めぐり」以外の話は後日別記事にて投稿します。
京の六六めぐりライド・番外編

以下、StravaとReliveです。

Relive '京の六六めぐりライド'