京の六六めぐりライド・番外編
京都には訪れたくなる場所が山のようにあるのです。
ということで、「六六めぐり」の他に行った所にも触れたいと思います。
平野御土居
安土桃山時代に豊臣秀吉によって行われた京都改造で、京の外周22.5kmに渡って「御土居」と呼ばれる土塁と堀が築かれました。江戸時代に入ると御土居は少しずつ撤去され、現代に至って史跡に指定されているのは9箇所となった中でその姿をよく留めているのが平野御土居です。
京の西縁を流れる天神川がわずかに屈曲する場所にあり、京都の市街地にしては珍しく道路が入り組んだ場所にあるので訪れるのは少し難しいかもしれません。
しかし寺社仏閣ばかりが語られがちな京都にあって、城郭都市となっていた時代の姿を今に伝える貴重な史跡です。
北野天満宮
中学受験の合格祈願に来て以来、一度だけ関東で過ごした正月に湯島天満宮へお参りしたのを除いて毎年初詣に訪れている北野天満宮。
天神様が愛した梅の見頃にはまだ少し早かったようですが、少しずつ花が咲き始めていました。
天使突抜
六道の辻に次いで今回のサイクリングの目的はここでした。
京都市の道路交通の要衝、堀川五条交差点のすぐ北東にある「天使突抜」という一風変わった地名ですが、一本東の西洞院通に面して鎮座する五條天神社に由来します。
五條天神社は都が平安京に遷った際に弘法大師によって勧進されたと伝えられ、室町時代以降は病気退散、また医道の祖神として「天使の宮」と呼ばれ都人に親しまれていました。
ところが前述の京都改造によってこの場所に道路を通すことになり、五條天神社の境内を貫くように東中筋通が設けられたことから「天使の宮を突き抜いた場所」ということで「天使突抜」と呼ばれるようになったのだとか。
住居表示法の施行によって小さな町の地名は整理され消滅したものが多数ありますが、京都市内では大通りに飲み込まれて誰も住まなくなった小さな町のひとつに至るまで、数多くの地名が保存され歴史を今に伝えています。