6bitの思考

自転車、モータースポーツetc... 思いついたことを取り留めもなく綴るブログ

L'Empire des lumières

◆「光の帝国」
高校生の頃英語の教科書でシュールレアリズムを扱った章があり、そこで見て好きになったのがルネ=マグリットの「光の帝国」(仏:L'Empire des lumières)です。
画面の上半分は青く澄み渡った青空なのに、木々が生い茂る森から下はまるで夜の帳が下りたかのように暗い闇に包まれていて、ただひとつ街灯の光が白い民家の壁を照らしている、といった対比が美しく、このコントラストに心惹かれました。
この絵は現在ニューヨークのグッゲンハイム美術館に展示されているということで、機会があれば観に行きたいですね。

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Empire of Light (L'empire des lumières)
-Guggenheim Museum Collection Online


◆Giro Empire ACC Silver Reflective
さて、別に絵の話をしたいわけではなくて、ベルクロやラチェット、ボアクロージャーが主流の中で異彩を放つ紐靴タイプのビンディングシューズ、ジロ・エンパイアのシルバーリフレクティブを見たときにパッと思い出したのが「光の帝国」だっただけの話です(笑)。

エンパイアの箱を開けるとまずトラベルバッグがお出迎え。
決して豪華なものではないですがペナペナすぎて使い物にならないということもなく、レース会場まで持っていくのに入れておくような使い方であれば必要十分なクオリティだと思います。

トラベルバッグのジッパーを開けてやると、ここで初めてエンパイアとご対面。
靴の他にはインソール(S・M・Lの3種類が付属しており、Mがプリセット)と、替えのシューレース(最初から通されているグレーのものとは別に、ブラックが1組付属)が添付されており、税抜定価39,000円するだけあって付属品が充実しています。

ちなみにシューレースの色は「本体と同系色」と「ブラック」が、ブラックのエンパイアには「ブラック」と「オレンジ」が付属していますので参考までに。

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箱を開けるとまずトラベルバッグがお出迎え。


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今回購入したのはシルバーリフレクティブ


◆アッパーの硬さに悩まされて
今回エンパイアを購入しようと思ったきっかけですが、以前はシマノSH-R171を着用していました。
詳細はリンク先を見ていただくとして、サラウンドラップアッパーと呼ばれる大きなアッパーで足の甲側を覆ってしまうことでフィット感を向上、さらに空気抵抗を5%以上削減できるという優れもので、見た目も気に入ったので購入。

ところがほぼアッパーだけで足をホールドするため、ベルクロやボアクロージャーを使用するビンディングシューズよりもアッパーが硬く、ペダリングの癖もあって右足の甲側にある筋(前脛骨筋)とアッパーが当たってしまい、痛みが出るばかりかソックスが擦れて痛むという問題を抱えていました。

そこでアッパーが柔らかいビンディングシューズはないかと探していたところ、とあるブログで「エンパイアはシューレースが足の甲を全体的に包んでサポートするのでアッパーが柔らかい」と書かれているのを見つけ、これこそ救世主に違いないと思い購入した次第です。
我ながら4万円の靴を買うなんて思い切ったことをしたもんだと思いますが…(汗)

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SH-R171。
アッパーが筋に当たる以外は文句ないシューズですが。


◆100km強を実走して
いま流行の言い方で表現すると、

エンパイアはいいぞ

…これではレビューにならないので真面目に書きますが、とにかくありとあらゆる点でSH-R171を上回っていて、さすが値段が2倍になるとここまで快適になるかと思わず口元が緩んでしまうレベルで良いシューズです。

履くには一度シューレースを全て緩めて足を入れ、それからまた丁寧に締め直してやる必要があって正直ちょっと面倒臭いですが、シューレースが柔らかいアッパーを介して満遍なく足の甲を包んでくれるフィット感の良さは、ベルクロやラチェットのような2〜3点で固定しアッパーの硬さで足の甲を押さえるシューズとは比較になりません。
もちろんアッパーの縁に前脛骨筋が当たり痛みが出ていた問題も全く出なくなりました。エンパイア万歳。

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ちなみにアッパーの真ん中あたりにゴムのループが付いていて、


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ここに結んだシューレースを挟んでまとめておくことができます。


さらにインソールが土踏まずの部分をしっかりサポートしてくれることと、最も厚い部分で6mmしかないというイーストン製(あのホイールで有名なイーストンです)のソールのおかげで、ダイレクトに力が伝わっている感覚も非常に良いですね。
ビンディングシューズのスタックハイトと言えば真っ先に言及されるスピードプレイを使ったことがないので比べられないのが残念ですが、薄いソールのおかげでスタックハイトが小さくなった分、ペダルを直に踏んでいるような感覚は素晴らしいの一言に尽きます。


◆シルバーリフレクティブ
そして何より気に入っているのが、今回購入したシルバーリフレクティブの見た目。
「Reflective」という通り光を反射する素材を使用しているのですが、その光りっぷりが半端ではありません。
これはもう説明するよりも公式の動画を見ていただいた方が早いです。

Giro Empire ACC Reflective

明るい場所ではマットな質感のグレーに見えるので、シューレースの色を変えたり、派手なソックスと組み合わせて足下のお洒落を楽しむのも良いかと思います。


ここまで長々と書きましたが、税抜定価39,000円と決して安くはないですがその価値は十分にある素晴らしいシューズだと思います。

ちなみに最近スペシャライズドからS-Works Sub6という対抗馬が現れたようですが、こちらのレビューもあれば是非読んで比べてみたいところ。
エンパイアが「つま先・土踏まず・かかと」の3箇所からのパワー伝達を売りにしているのに対し、Sub6はぱっと見ではかかとが薄くてその辺大丈夫なのかな?と思いますが、人柱レビュワーに期待したいですね。